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永遠なる無駄遣い


永遠なる無駄遣い
香港返還直前の香港、シンガポール、台北を探る

出発顛末記(3)
「シンガポール」


 シンガポールへは、シンガポール・エアラインでゴー。香港の啓徳空港はいつも混雑している。しばし離陸まで、お待ちあれ。

 香港からシンガポールの機内には日本人客室乗務員はいない。中国系のスチュワーデスとポリアン(地元ではシンガポール人をこう呼ぶ)のスチュワードがサポート。香港での食べ過ぎにまったく食欲なし。でもガーリック・トーストだけはこんがり、カリカリで美味しかった。このスチュワードの笑顔がまぶしかった。完璧のサービス。食事途中で不要になったお皿を下げるのは、シンガポール・エア(SQ)だけです。

 なんでも、このエスニックな制服は、「太るとすぐ裂けるぎりぎりのサイズで支給されるので、体重維持が大変だった」とは、知人の元SQスチュワーデスのY嬢。今は地上で翼を休めているが、彼女のSQ時代のドタバタはそのうちにご披露できるかも知れない。

 空港から市内へ。比較的近い。中国籍の運転手が飛ばす。シンガポールは狭い国土で、飛ばしても無意味なのに。やや居眠りに近い状況か。シンガポールでは、珍しいことだ。アジアで一番運転が上品な国と信じているのに。「定点観測」を始める。結構彼は、忙しいらしい。なんでも急に借り出され、丸一日、昼夜働いているらしい。普通は二交替なのに。この後、寝に帰るらしい。おいおい。運転と相まって、とてもスリリングだぞ。生活は苦しいとか、世間話を中国語でひたすらし、眠気が飛ぶように祈る。やっとホテル前のにぎやかなオーチャード通りに着く。

 ホテルに到着は、23時近くであった。部屋の電話の調子がおかしく、フロントから修理を呼ぶ。シンガポールでは、チップはいらないという教育が徹底してきたらしい。こういう所から、国力を挙げてきたのだろう。ホテルと言わず、環境問題(左下写真)、ごみ問題(中央写真)に敏感。ホテルでは安全対策を強化し、宿泊キーを差し込まないと目的の階に行けない仕組みになっている。リスク対策の観点から、ここでも非公開とした(お許しを)。そうそう、最近は、部屋の金庫(右下写真)がボタン式の暗唱番号で、わざわざホテルの貸し金庫を使わない。人件費節約になるので一石二鳥。パスポートは取りあえず、入れておこう。

 翌日は、日曜日。久々の休日。日系百貨店などを「定点観測」。高島屋はすごい人だかりであった。おっ!そごうの書籍コーナーで自著を発見。みんな買ってねと祈願する。「父の日」にあたり、各百貨店は特設コーナーを設けての人寄せ。ラッフルズの新しい遊び場、チャイムズを探索。

 夜はナイト・サファリーで動物心理学のお勉強。ここは檻が無い動物園で有名。少しジュラシック・パーク状態か。真っ暗闇で勝手に声態模写をやるも、ややヒンシュクを買う。みんな暗闇でこっちを見るけど、何もいないので洒落になってないらしい。檻がないのは水を張った溝があるからだが、夕方よりスコールが幾分強く続いたせいか、動物もいない。だから雰囲気だけでもと思ったのに。直ぐに自粛。

 それよりも「インドの方」がフラッシュを焚いてはいけないとの英語のアナウンスの直後に、数回に渡り確信犯的なカメラ・ワークに、欧米人を初め一同ブーイングのあらし。今度はそのインドのご一行を「定点観測」。マレー・タイガーの側を通過した時に、身を乗り出していた。ベンガル・タイガーと見比べたのか?咄嗟に「タイガー・ジェットシン」を思い出した。

 月曜日からお仕事。日系弁護士事務所(長島大野事務所、左下写真、日系では初進出)で打ち合わせ。昼食をともにする。ゴルフがとてもうまそうだ。午後は、クライアント(日系カメラメーカー、右下写真)と打ち合わせ。デジタル・カメラをいたく気に入って、競合商品なのに、うれしそうなこの顔。だいじょうぶだろうか。新製品にはさすが業界人だけに興味津々のご様子。

 新しいスポットの「サンテック・シティ」(左下写真)をマーケティング。出来て半年か。展示会場が広い。その後、昨日予約を入れたチャイムズ(下中央写真)の中華レストラン「レイガーデン」(右下写真)で冬瓜(トゥオン・クウァー)のスープを嗜む。このスープは前日までに注文しないと飲めない。明日が早いので、チャイムズ内のバーで一杯をひっかける。ラッフルズのロング・バーに用はなし。訂正原稿が追っかけで部屋についているはずだ。

 その後部屋に戻ると、案の状、訂正した小学館SAPIOの最終原稿がFAXにてご到着。少しだけ「てにをは」を修正。略歴に記入したSo-netの当バーのアドレスを再確認。ファックスを送信後、編集部から電話が入る。よくもまぁ、夜更かしが好きな人たちだ。ご苦労さま。

 お、もうひとつ、来ています。FAXが。終わったはずの原稿修正に関する最終確認。こちらは「実業の日本」のインタビュー記事。「ASEAN10の今後の方向性と課題」みたいな話をしていたんだが、国際電話でやりとり数分。無事解決。こちらは7月中に発売らしい。

 それと日本人がフィリピンで誘拐されたらしいとの情報が日本総研のスタッフから。インターネットでの情報が着いている。夕刊で対応したのは、どこの新聞社であったとかのメールでの報告と記憶する。たいしたことがなく、無事解決と最終メールで報告があった。やれやれ。もう寝なきゃ。明日は早い。

 え、明日がなぜ早いかって。台北に行くのです。本当にハードスケジュールだ。これからパッキングだ。もう夜中だよぉおおおお。


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