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永遠なる無駄遣い


永遠なる無駄遣い
コートダジュール、パリ 1997

(6)ニース - 5/5


<マフィアに遭遇>

 トイレを出たら、今度はロビーの喫茶コーナーだ。と言ってもここは中に大きなシャンデリアを持つ体育館のようなもの。円柱に囲まれた内部には、歴史的な絵画が飾られ、調度品もアンティーク状態。ん?おかしいな?今日はやけにがらんとしているなぁ、まあ、いいか。と読者の皆様のために写真を一枚撮ると、どこからかSS(シークレット・サービス)が駆けつけた。ハァーハァー言いながら、少し緊張したまま、英語で『セキュリティの関係上、後、30分程、撮影をご遠慮ねがいたい』。ああ、撮影禁止なのかと早とちりして「すみません、知らなかったので」とその場をやり過ごす。それにしては丁重だなあ。美術館、博物館で間違えてフラッシュを焚いて撮影した日には、学芸員から罵声を浴びせられのるのに。さすがネグレスコはジェントルマンだと勝手に感心していた。暫く、会話を思い出しつつ、コーナーを半周すると、そこには警備の人、人、人。ああ、そうか、中で偉い人が会談中なのかともう一度覗くと、アラブ系とインド系とおぼしき人が商談中。片方にはさらに側近のSSがつかずはなれず。後でパリの友人に話たら、「武器商人じゃないの」とのこと。

 1階のバーで特性シャンパンを流し込み、時間潰し。ここでは、金持ち息子(20才ぐらい)の恒例の誕生会が友人知人を囲んで行われていた。ホスト役は彼の父。高そうなシャンパンとかワインとかをバンバン開けていた。

 もう一度先ほどの喫茶コーナーへ。中の絵画を見ようかと思いきや、既に先客がスヤスヤ。とても人に懐いていた猫はきっと今日の会談の一部始終を知っている。

 貴重な体験にすっかり満足も、明日はいよいよパリに乗り込む。駆け足のコートダジュール、いかがでしたか。後半に続く(来週中には登場か?)。


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