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永遠なる無駄遣い


永遠なる無駄遣い
コートダジュール、パリ 1997

(7)パリ - 3/3


<カフェ・ドゥ・マゴの横のCAFEとパフォーマンスおじさん>

 せっかく、サンジェルマンなので、カフェでも飲むかと、有名なレ・ドゥ・マーゴを通り越して、直ぐ裏手のもう一軒のカフェへ。ここのCAFEの前では、パフォーマンスのおじさん(失礼、お兄さん)が探検隊の格好をして、笑いをとっていた。でも、チップの集金システムは効率的ですなぁー。おもちゃのピストルを突き付けるのだが、結構シャレがきつくて、出さない人はまずいない。大道芸人は、よく、パフォーマンスしている前にダミーのお金を入れて、見ている人がお金を投げ入れてくれるのを待っているでしょ。でも、この人は、集金自体もパフォーマンスとして成立させているから、凄いテクニックですよ。芸は見たが、払う段階になると気まずい思いなどというのはてんでありません。客の中にはカフェに来たばかりの人もいるし、芸など最初から見ていないと主義主張する人も居るはずなのだが、チップを出す人出さない人、出すタイミングなどを見切っている。もしかすると、おのぼりさんかどうかが一目瞭然なのかもしれません。お店としては、パフォーマンスが良ければ、カフェに客が集まる。定期的に芸をこなして、チップを集金する頻度も高いから、カフェのお客も長居はできない。まさに一石二鳥の経営システムであります。

<パリの友人と生まれたばかりの赤ちゃん>

 パリについたばかりなのだが、時計も手に入れ、友人夫妻との待ち合わせ場所に。凱旋門側。地元っ子の通う安くて美味しい店が、凱旋門から徒歩5分の所にあるんですから、びっくり。

 友人夫妻は旦那さんが米国人で、奥様がフランス人。ご夫妻は、フランスにある経営大学院インシアードの同級生(90年)。旦那はその後米国系コンピュータ会社に務め、システム・コンサルタントとして活躍。奥様は経営コンサルタントで老舗の経営戦略コンサルタント会社のパリ・オフィスに勤務。その後、旦那さんに日本への転勤命令が来て、それならば辞めると言い出した奥さんを会社が説得して、日本にポジションを作ったのが、日本に来たきっかけです。が、優秀な人はどこでも優秀。日本でも奥様なりにかなり活躍した。

 旦那さんとは、コンピュータの「2000年問題」で情報交換。こんどインドの会社を使うとか、インド人のプログラマーを使っているとか。欧州全体の30%ぐらいしか、この問題に着手していなくて、大丈夫なのだろうかとのこと。日本でもそんな感じと答えた。

 一方、奥様は暖房システムという古くて新しい問題の責任者。東京では医薬の専門家だったのに大変だ。でも経営の問題だから、経営の専門家に変わりはない。パリ・オフィスでも若手のコンサルタントは、カッコいい、真新しいテーマ(コージェネなどガスと電力を融合する分野)に飛び付きやすいから、彼女のような管理職は老朽化した暖房給湯システムの再構築などの退屈な積み残しテーマをやらなければならないとのこと。

 そんな高尚な話の途中に撮影したのが、娘の写真。可愛いの一言に尽きる。

 夜が更けると、地下鉄は急に物騒になると聞いていたので、タクシーでホテルに向かう。黒人の女性ドライバーなのだが、パロディ映画に出てくるような風貌と運転技術(荒い荒い、急発進、急ブレーキ)に、すっかり翻弄され、バタンキュー。


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