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永遠なる無駄遣い


永遠なる無駄遣い
コートダジュール、パリ 1997

(8)パリ - 1/4


<地下鉄の騒音と朝食のバトル>

 早朝、ゴーという音で目覚める。なんだぁーーと思い気や、地下から伝わる地下鉄の音である。参ったなぁー、それもパリかと諦める。ここは、朝食付きなのだが、宿泊客の確認がいい加減。早朝ということもあり、若手の見習ボーイとかがサービスをするのだが、結構ずっこけていて、間が抜けている。隣では、朝早くから、アメリカ人のビジネスマン(ウーマン)・グループのテンションが高い。この時期、多国籍企業のワールド・ワイドな経営会議や研修が頻繁に行われ、彼(彼女)らもその類のものだろうか。一段と声のでかい米国系のご婦人(キャリア・ウーマン)。昨晩の酒が抜け切っていないのか、なぜか艶めかしい態度。先ほどの見習ボーイが露骨に嫌な咳払い。うーん。ここには、「パリとアメリカ人」なる映画をもう一本撮れそうな題材がゴロゴロしているのは確かだ。

<クリニアン・クールの蚤の市(アンティーク・ショップ)>

 さて、急いで朝食食べて、クリニアン・クールの蚤の市に行こう。元々アンティーク関係は泥棒市みたいなもので、どこの国も似たり寄ったり。ロンドンでは良く腕時計の珍しいものを探していたが、パリでは別に欲しいものはなし。椅子や家具、書棚などが面白そうだったが、船便に託すこともできず。だいたい、アンティーク系は何かにとりつかれそうで、苦手なんです(だったら行くな)。でも、アンティークの醸し出す雰囲気や造形美はとても好き。程度の良い(古い)ものほど、足の膝から下が痺れてきて、本当のアンティークとレプリカ(落ちた色相をリダンしたもの、デザインを興してリメイクしたもの)の違いが解かるのは、「縁戚のおじいさん」じゃないけど膝の痺れなのです(笑い)。

 蚤の市自体は幾つかのブロック(地域)に分かれ、それぞれの展示に特徴があるようだ。地下鉄の駅からまっすぐ、高速道路をくぐろう。スタンドと呼ばれる常設店はここからで、本格的なもの(買うに値するもの、高価とはかぎらない)はここから先にある。リュック背負っていたので、スリに注意しようと思ったが、こちらの殺気が伝わるのか、怪しい人物には遭遇しなかった。

 最近、駅前の怪しい人達の売るお土産のヒット商品は「2人用枕」をさらに長くしたような風船。底が硬くって、ポンポンとついたりすると高く舞い上がる。ひねって上に投げると、戻ってくるらしいが、写真撮ったら撮ったで買えと言われそうで、断念した。お見せできないのが残念。


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