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永遠なる無駄遣い


永遠なる無駄遣い
コートダジュール、パリ 1997

(9)パリ - 2/6


<フラッシュ撮影と双眼鏡、現地ガイド>

 そうそう、比較的余裕のある人は3階の絵画を中心に見るべし。それもフランス絵画の方が面白い。東芝国際交流財団なる所が各絵画の解説を日本語に訳している。残念ながら、日本語版は使う人のマナーが悪いのか、あるべき場所に解説書(透明の下敷きのようなもの、A3版)がない。解説書は各展示室の入り口に置いてあるのだが、見終わると、戻って元ある場所に置かなければならない。めんどうなのか、良く次の展示室に適当に放置されている。

 ここはいつも面白い(日本ではめったに遭遇しない)人達に遭えるので楽しみにしている場所でもある。解説書のマナーに通じるのがフラッシュ撮影の是非を巡るいざこざ。フラッシュはだめと注意書きが出ているのに、しっかりフラッシュ焚いている証拠作り派。美術の先生でもそこまではしないだろうにと思ってしまう双眼鏡持参のおじさん(まるでバードウォッチングの様相です)。

 あと、ついでに言えば、有名旅行会社の小人数グループ(高級ツアー)で高そうな現地ガイドを雇っている時は要注意ですね。館内広しとは言え、これらグループとどうしても絵画の観賞時間のペースが同じになってしまう。或いは、せっかく見ていた所に、どやどやと後から来るとしますね。別にこちら(個人旅行客)はタダで聞くつもりはないし。どちらかと言うと、ただうるさいだけなのに。地元の日本人ガイドの方はかなり意識していて、「商売上がったり」「聞きたいなら金払え」と注意されたりする。ここは公共施設なんだけどなぁと不愉快な気分になった友人、知人、関係者の話を良く耳にします。

<モナリザとナポレオンの戴冠式>

 いつものように、「モナリザ」の前はすごい人集り。バチカン美術館のシスティーナ礼拝堂よりも凄い。5年ぐらい前の日曜日の代々木公園の出稼ぎ外国人か週末の渋谷ハチ公口の待ち合わせのようなものだ。さっと横目で見ながら、「ナポレオンの戴冠式」の方角へ。この絵はとにかく大きくて、ルーブルの歴史はナポレオンとともに作られたことを実感する大作である。見学者と絵の中の戴冠式の参列者が一体化するので、特にお気に入りの絵でもあーる。やや後方の離れた所から、過去と現代を一緒に自分のフレームに収める。


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