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永遠なる無駄遣い


永遠なる無駄遣い
コートダジュール、パリ 1997

(10)パリ - 3/3


<マ・ブルゴーニュ(元祖タルタル・ステーキのお店)>

 ここの名物はタルタル・ステーキ。なぜか最初にお店に来たとき(もう何年も何年も前のことだが)、名物が元祖のタルタル・ステーキと聞き、それくださいと。もちろんタルタルが生肉のハンバーグみたいなものと日本では知っていたのだが、なぜかその時は、パリに浮かれて牛100%の小さなハンバーグ・ステーキみたいなものと勝手に勘違い、思い込みをしていた。で、登場したタルタルステーキを前に、絶句。だって、肉はいつもウェルダンで良く焼いてもらうのだから、もう大変。

 マネジャーを呼んでもらい、生肉はだめだと英語で説明し、私が悪かった、でもお願いだから少しだけでも焼いてくれと頼んだ。向こうは向こうで、うちは老舗で、タルタルの味は保証付だからだまされたと思って食べろと言われたが、とにかく少し焼いてもらう。なぜ注文してしまったか今でも不思議なのだが、とにかくそれでも半生のタルタルを前に、もっと焼けば旨味しいのにと半分以上残したのを今でも覚えている。生肉の酸味と甘酸っぱい味付け(トマト味)がなんとも旨味しいのは旨味しいのだが、生は生。生理的に受け付けず、いやはやドタバタの旅であったのは確か。

 それ以来、贖罪の意味合いも込めて、パリでは必ず立ち寄るお店なのだが、タルタルだけは頼まない。そうそう、このお店はクレジット・カードを使えないので要注意。今回も女性を口説こうとしていた隣のフランス人が、カードが使えずと聞いて真青。最後は、小切手を切っていた。店員はとても冷たく、近く(と行っても遠いのだが)の銀行に行けばとたしなめていた。さすが、老舗、頑固だねぇ。今回は久しぶりのパリ、クレジット・カードが使えることをほんのわずかながらも期待をしていたのに、やはり駄目でした。

<ユダヤ人街とインテリアショップ>

 マレー地区はユダヤ人街の方へ。ダビデの星のマークが至る所に。ロシア系ユダヤ人のお店には、日本の雑誌の紹介記事が。ウロウロしていると、立派な門構えのお店が道路の両側に。中でロウソク立てを発見。イメージ通りで即座にゲット。魚の骨のタイプのヤツと人間がナビいているようなもの。店のオーナー兼デザイナーをパチリ。何でも東京やら京都やらに友人知人がいるそうだ。2年ぐらい前に日本のファッション雑誌(マリクレ)でしっかり特集されている。


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