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永遠なる無駄遣い


永遠なる無駄遣い
コートダジュール、パリ 1997

(11)パリ→東京(空港にて) - 2/2


<デ・タックス>

 腕時計はデタックスの唯一の対象なので、空港のデタックスのカウンターに並ぶ。要するに、お店で記入してもらった用紙と航空券とパスポート、それに購入商品を見せて、最終的な証明の印鑑をもらい、近くにある黄色いポストに投函するだけなのだが、見せるのが結構面倒。腕に着けたまま、見せたのだが、結構ジロジロ見ていた。ホント、シルバーのダブルフェースの時計は、見た目オモチャみたいにキャシャだから、そんなに高いとは思わなかったのか、しっかりブランドとか見ていた。

 この時、どうしてもあれだけ避けてきた日本人グループの集団に遭遇してしまう。別に個人旅行が上で、団体が下と行っているのではない。2年前のスペイン旅行では、私は格安のグループ・ツアーに入っているし、その前のイタリアでもそう。その国を効率良く回るならグループでのパックツアーが便利でお勧めなのですが、どうも時々遭遇する仕切りやのおじさんが苦手なのである。もう、旅も終りになると、このツアー、しっかり運命共同体になっていて、日本に帰ったらまた遭おうと来たもんだ。この手のおじさんのこと、「遠山の金さん」と呼んでいるのだが、添乗員よりもお嬢さん達の面倒見が良い。で、何かと遭遇する個人客の日本人を目の敵にする傾向が強い。この傾向は、帰りの飛行機の中でも、延々と続く。考えてみれば、独身なのかどうかは不明だが、50才近い、或いは更に上の、外国に旅慣れたご様子の中年が全てを仕切るのである。とても気持が悪いではないか。私なら嫌なのになぁ、と思っていたら、成田についてからも、トイレに行く指示を出していたし、荷物の受取場所でも全員の荷物を出していた。でも添乗員ではないんですよ。

<CAFEでのアメリカ人おばさんとのフランス論>

 なんだかんだで、離陸前に腹拵え。カフェは各自オーダーするのだが、ここでも大渋滞。だいたい、パリの国際空港なんだよ。そんなに飛行機に乗り慣れていない人が世界各国からこのフランスという国を目指しているとは思えないのだが。どうして、こんなに並ばせるのか。結局、店員が4人居るんだけど、注文する人は勝手気ままに、目が遭った人から注文をする。セット料金のホットドッグがあると書いてあるので、もっていっても、途中でセットに気づくとレジの打ち直し。日本じゃ、メニュー見本を書いたもの指差すか、食券みたいなものを先に買わせるでしょ。それが出来ていない。

 ジワーと進む行列の前のアメリカ人のご婦人としばし、パリ談義。このご婦人も結局フランス語を会得できずに、悔しい思いとイライラが募るらしい。美術館だけは認めているのと肩をすぼめて、彼女もしっかりレジでトラぶっていた。『パリはすばらしい、でもフランス人は最悪である』との有名な言葉を思いだした。


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