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永遠なる無駄遣い

海外逃亡顛末記 その2(98年9月)
永遠なる無駄遣い

通貨危機を探る〜#1-1 香港・新国際空港(98/9/15〜19)

<いつものように箱崎チェックイン> 

 初日、敬老の日の早朝、ううう、7時の箱崎集合だ。何か高速で事故渋滞とかで、70分でいけるところが90分はかかると言われた。箱崎が良いのは、チェックインを済ませてリムジンに乗ってしまえば、飛行機はたぶん待ってくれること。人員の確保が出来ているから、航空会社としては安心なのだ。チェックインをして荷物を預ければ、後は何も心配なし。欧米方面は出発がアジアほど早くはないので、出国手続きも出来る。

 そうそう、その後日本を襲った台風では、成田エクスプレスが止まって、振り替え輸送で、個人旅行客が乗り損なったとかを東京新聞で読んだが、たとえ渋滞であろうが、バスの故障であろうが、たぶんリムジンバスの方がリスクは少ない。たかが50人程度であれば、振り替え輸送のバスを、箱崎か成田かの何れかから代替することが可能だからだ。その辺は、当方のスタッフには徹底しており、業務上の海外出張は、箱崎集合の箱崎解散がモットーである。

<エコノミーでシャンパンを飲む>

 今回の業務は、調査と意見交換が主体なため、スタッフを同行させた。出張の基本はビジネス・クラス。どんなに不景気であろうと、到着後直ぐに仕事に取り組めることや、ちょっとした無理が効くことを考えるとビジネスは当たり前。これ20代からの一貫した方針である。会社がとやかく言うのなら、行かない方が良い。自分の身は自分で守れなのだ。が、スタッフが同行するとなると、話は違う。全体の予算、アジアまでのフライト時間などを考慮し、エコノミーのディスカウント・チケットを購入した(何せ、10月にも海外出張があるもんで、現実は厳しい)。まぁ、香港までは3時間強なので、それほど苦にならない。

 でもまぁ、ビジネス・クラスでは搭乗後、離陸するまでの間に、にこやかな笑顔を振りまく乗務員の手によりシャンパンが運ばれるわけであって、エコノミーは指をくわえる状況が暫し続く。それも、知らないうちに運ばれるならいざ知らず、いつものようにギャレーの横の席を指定したものだから、隣でシャンパンをポンポンと抜く音が耳について、本当に参ったもんだ。何回か乗務員さんと目があって、どうしたものかと待っていたら、残っていたシャンパンを宜しければどうぞと持ってきた。本当にご好意に感謝しつつ、ごくりごくり(もしかすると乗務員嬢の内心、本当にがめついガキだと思っていたのかもしれない...)

<香港新国際空港>

 九州、沖縄、台湾上空を通過し、ようやく香港へ。啓徳空港は既に閉鎖され、あの物干し竿の先端を飛行機がかすめる状況はなくなった。翼の横あたりに座ろうものなら、本当に生きた心地がしないような、急旋回を行ってのランディングは無くなったのでホッとしているところだ。たぶん、香港島の上空を飛び越え、半島の先端の山の一つ向こうに向け、着陸したのだろう。この香港島の上空を飛び越えての景色はなかなかのものであり、地図上と同じ状況に島々が点在するのがよく理解できた。

 着いて早々、馬鹿でかいエスカレーターと、モノレールでパスポート・コントロールまで移動。モノレールは日本と違い、かなりの距離を早いスピードで移動した。エスカレーターは変な音をキュンキュンとさせ、ロシア製なのか、中国製なのか、繊細さに欠けたやけに図体の大きい、ずっしりしたものが据えられていた。

 おかしいのは動く歩道だ。到着したゲートから出ると、真ん前を動く歩道が右から左に稼働中なのだが、その動く歩道に切れ目はなく、そこからは乗れない。何度か来たことのある人は、いったん出口とは反対方向に歩き、10メート先の乗車口から動く歩道に乗って、勝ち誇った顔をする。日本でも良く、動く歩道が寸断され、乗ったり、降りたりとせせこましいとの意見もあるが、誰も乗らない動く歩道が延々と流れる景色よりはマシだろう。

 パスポート・コントロールはスムーズに通過。返還前よりもゆったりとカウンターの数を増やしたようだ。荷物の受け取りもさほど心配したトラブルもなく終了。このあたりは啓徳空港と同じ設計をしているのか、親近感が持てた。タクシーは、市内行きとその他が区別され、乗りやすい。まぁ、9月とはいえ、いったん空港施設の外に出たときの蒸し暑さ(もわぁーーーっとしたあの感触)はいつもの通りだが、郊外にいるせいか、何となく空気がすがすがしい。

 ホテルが設けたサービス・カウンターでは、リムジンバスが一人150香港ドルだったか。タクシーは350ぐらい。スタッフが居れば迷わずタクシーであろう。


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