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永遠なる無駄遣い


海外逃亡顛末99#7
北イタリアで優雅に過ごす

永遠なる無駄遣い

(5)ミラノ - 1/3


 ミラノはイタリア語ではミランと発音する。何故ミラノになったかは知らないが、ウィンドー・ショッピングなどしている暇があれば、買い物に走るべし。「ミランで宜しい」(スタッフ一同「....」)。

 ちょうどバーゲン・シーズンだったが、オイラの購入希望商品は定番のため、関係なし。

 それにしてもだ。円高(111円)で、メリットを享受できるという以外、どうもミラノは好きになれない。それは、オイラを含めた日本人観光客(含む全てのアジア人)がミラノのブランドをかき乱し、汚したからだ。

 しかし、それにしても、お客さんを大切に扱った方がいいし、ぞんざいな態度を取られたなら、店を蹴って出てくるべし(ぷんぷん)。


ミラノ「サントリー」のディスプレィ
「ミラノで獲れた えだ豆 始めました..店主」
思わず..ふらーーと入りたくなった
いいですねぇ。いいコピーだ

 そんじゃ、いっちょ行きますか。ミラノは辛口ざんすよ。


ヴィットリオ・エマヌエーレ2世ガレリア
(ドゥオモの真横にある高級商店街)

 あ、そうそう。その前に、7年前の2つの事件をご披露。

a)うるせぇ、ばばぁ事件(92年)

 唐突に失礼。あれは、まだまだ少年のようなお茶目な30代前半(見た目はそうですねぇ、20代央というところか....)。ツアーでイタリアに来た時のこと。

 ローマから延々とイタリア中を回り、北上し、ようやくミラノ。で、あちらこちらの地方の教会では「長ズボン」が必須ということには慣れていた。で、教会に入る時には、単パンの上から長ズボンをこっそり履いては、服装チェックを通過し、出ては脱ぐことをしていた。もちろん品良く。

 で、なんとミラノのドゥオモで、教会から出てきて、添乗員さんやら現地ガイドを囲んでツアー・グループの皆さんが説明を聞いている時に、円陣の後ろの方で、慣れた手つきで半ズボンに変身していたのよん。そしたら、横を歩いて通り過ぎる日系のおばさん二人が、「いやざますわねぇ、お下品で」「これだから日本人のツアーはいやざますわよ」と聞こえるように言い放って行ったのだ。

 で、まぁ、着替える方も行けないことだし、そうだなぁ、とほんの数秒反省したのだけれども、ご一緒した10名程度のグループの皆さんも罵倒していたし、どんな人だろうと顔を上げ、横切る二人をちらっと見ると、なんと、袋いっぱいの有名ブランド品を抱えて、バーゲン梯子をする日系商社婦人風(すみませーーん、関係者のみなさま...)が歩いて行くではないか。

 どっちが品がないんだよ。君たちのバブルも絶好調ではないかという思いがふと脳裏を横切り、思わずでた言葉が...「うるせぇばばあ」です(深く反省..笑い)。
 そしたら、そのお二方、耳をぴくと動かして、どっちかというと右手と右足同時に歩くようなぎこちない動きで遠ざかって行ったのだ。

b)鳩ぽっぽ事件(91年?)

 これは気いつけやぁ..。
 えーーとツアー・グループの大学生(建築学科)から聞いた話。彼らがその前の年に来て遭遇した事件。どうも元気がない。ミラノなのに、感動がないねぇと根掘り葉掘り聞いていたら....こういうことだ。

 第一幕。
 ドゥオモの前で鳩に餌やるおじさんがいて、餌をまきながらやおらカメラを出して、餌を渡される。撮影するだけだから、モデル、モデルというようなポーズで笑顔笑顔。

 で、教会の前だ。ドゥオモだ。悪い人などいやしない(はずだ)。イタリア映画に出てきそうな平和そうな親父。鳩の餌..。まぁ、いいかと撒いてしまう。鳩が寄ってくる。幸せの瞬間。太陽がまぶしい。手をかざす。

 どうです。いい脚本でしょ。


裏手からみたドゥオモ

 第二幕。
 住所を書いてもらうから、おいで、おいで。大学生側は二人なので、まぁいいかと着いていく。気がつかなかったが、ドゥオモのすぐ側に、地下街に通じる道。やばいかなぁと思いつつ、階段を下る。

 先ほどの太陽で暗い所には慣れていないが、地下の部屋に。入ってしばらくすると、おじさんが連れていった部屋の奥の机に、マフィアっぽい人が一人。回りに大男が数名。

 げ、やられた。で、日本円で8000円ぐらい(もしかしたら20000円??金額は忘れたがその程度)とか言われ、支払うと、住所住所とせがまれる(正直に書いた所も無防備なのかもしれないが、気が動転して書いてしまったらしい)。

 第三幕。
 日本に帰国し、悪夢も薄れつつあったある日(数カ月が過ぎていた..)、イタリアから郵便小包が届く。あけると、そこには満面の笑みの中、鳩に餌をやる自分が写っていたとさ。
 本当の話だ。怖い所だ。

 それでは、引っ張るだけ引っ張ったが、ミラノ編に突入。ご堪能あれ。