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永遠なる無駄遣い


海外逃亡顛末00#3
マレーシア・シンガポールの旅
永遠なる無駄遣い

(3)ふたたびシンガポールに - 2/4


<ジョホール・バル>

 
 早朝からシンガポールを北上し、マレーシアのジョホール・バルへ。日本代表がサッカーのワールドカップ出場を決めた場所だ。

 シンガポールの生活用水はジョホール水道を通って運ばれてくる。3本走る水道管のうち、1本はシンガポールで水を浄化した後マレーシアに戻るそうだ。

 シンガポールでの出国手続きのため、一旦車から降りて窓口へ。次に、ジョホール水道にかかる橋をわたり、マレーシアへの入国手続きが待っている。ただ、この橋の上が大渋滞。ジョホールへの入り口を目の前に、マレーシア側のゲートで立ち往生である。


水道管3本のうち1本はマレーシアへと戻る

 渋滞の原因は、観光バスの駐車スペースが不十分なため。ツアーバスの乗客など一人ひとり車外に降りて、出入国審査を行うためである。結局1時間ほど小型バスの中で待たされる。

<サリパパのガイド>

 

軽妙な冗談を交じえながら
テンポよいガイドダンス

 マレーシアに入ってからのツアーガイドは、魔法使いサリーちゃんのパパ似のおじさん。語り慣れた丁寧な日本語、ユーモラスな解説に、こちらも色々と知りうるかぎりの日本文化の説明を加えさせていただいた。どうやら、“サリパパ”も日本に対する認識を新たにしたようだ。

 ウケねらいの日本語を少々仕込んでおいたので、今後彼のツアーに行き当たった方はどっと受けること間違いなし。

<スルタン王宮博物館>

 
 王宮博物館には、歴代スルタン(国王)の装飾品や武具が飾られ、日常生活を伺い知ることが出来る。狩りの名士だったスルタンが射止めたというかなり巨体のトラやシカのはく製や、ゾウの足を使った傘立てやら灰皿が所狭しと並べられていた。

 ジョホール・バルの歴代国王は日本の天皇家とも親交があり、日系企業を受け入れる要素はあるようだ。


残念ながら建物内部は撮影禁止である

 ところで、ジョホール・バルは、何も観光客のためだけのものではない。物価が安いため、日用雑貨などを買いに、シンガポール側からの買い出し部隊も多数見受けられる。

 国境沿いに立派な百貨店があるのもシンガポールの買い物客を視野に入れてのこと。もちろんガソリンも満タンにして出国するのが常識。

<黄色は高貴な色>

 ジョホール・バルの象徴、モスクを見学に行く。当日はイスラム教の祝日にあたったため、モスクの周辺は礼拝を終えた家族連れで大混雑。当地のスルタンご夫妻も祭事に参加した様子で、仮設テントの解体作業が進んでいた。

 ここでは黄色が最も高貴な色とされ、国王が使用する椅子も黄色い布地がはられている。もちろん仮設トイレも.....。





スルタンのための仮設トイレ
近寄りがたい!?

<茶髪のダンス>

 一般的なマレー人の家庭を公開しているというので、案内してもらう。警察官を引退したおじいさんが暇にまかせて自宅を開放。一般人のリアルな生活が見学できるということで大流行。ちょっとしたテーマパークともいえる。

 
 が、食事の準備をしている台所や息子がくつろいでいる居間を通り抜けたりと、オイオイ、子供達がぐれてるんじゃないかの状況。現に日系企業をやめて自宅でぶらぶらしている四男の横では、まったく緊張感のない猫が朝から目をひん曲げて寝ていた。おい、踏まれるぞ。

 玄関先では、マレーの創作ダンス(たぶんこの家の人達がアレンジしたのだろう)を披露。長女、次女はなかなかの美形。二男はやる気なさそうに、でもきっちり仕事をこなしている。


次々来る観光客にも無関心
まったく緊張感なく寝転ぶネコ

 なんと彼、ダンス(=仕事)中は髪を結んで黒い帽子をかぶっているのであまり分からないが、踊り終わると普段通りに髪をほどいてロンゲの茶髪にサングラス状態。

 どうやら表面だけ髪を染めて、ダンスの時は茶髪の部分を帽子のなかに入れてしまうようだ。「踊ってやるからいいだろう」と親と交渉し、青春しているのかもしれないと勝手に想像してみる。

 近くの民家はこの家の繁盛などどこ吹く風。同じような商売を始める気配もない。