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永遠なる無駄遣い


海外逃亡顛末00#4
ロンドン・ポルトガルの旅
永遠なる無駄遣い

ロンドン・ポルトガルの旅(3/5)


<アルファマ>

 まず向かったのは市内中心部からやや西側に位置するアルファマ地区。迷路のような街並みで、大きな通りがいくつもの細い路地へと分れていく。ポルトガルらしさを堪能できる地区である。

 まず目につくのが重厚な構えのセ大聖堂。
 道なりに坂を歩くとサンタ・ルジア展望台へと辿り着く。目の前にテージョ川が広がり、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジを思わせるような赤い橋が飛び込んでくる。

 さらに上を目指すと、サン・ジョルジェ城へと至る。地元の人も夕涼みがてら、散歩にでかけるコースである。




夕暮れ前。丘の上で涼しい夜風に吹かれ、休日を満喫する。

<リスボンの街並み>

 リスボンは急な坂道が多く、ほとんどの道路が石畳である。革底のサンダルだとツルっと滑ってしまうこともあるのでご注意を。ちょっとした坂だとしてもあなどることなかれ。少し遠回りしてもなだらかな上り坂を選ぶほうが良い。下りだと勢いつくと止れない。

 リスボン市内を走る路面電車はとても情緒豊かだ。このほか、町中というのにケーブルカーも運行している。ちょっと歩いて上るにはきつい一本道の坂ではケーブルカーが大活躍。途中停車もなし、ただ坂の上と下とを結ぶだけで、車も通れない細い路地である。



 市内を歩いて目につくのが、建物の壁を飾る絵タイル「アズレージョ」である。近寄るとひび割れなどがひどいものもあり、時代の変遷を感じずにはいられないが、様々な色調、柄が目を楽しませてくれる。





――― ※ ――― ※ ――― ※ ―――

<グラサ展望台>

 日を改め、再びアルファマへと向かう。先日のサン・ジョルジェ城を越え、さらに坂を上ったところにあるグラサ展望台へと到着。白い壁にオレンジ色の屋根。統一感のある市内が一望できる。



 ここの広場にはちょっとしたカフェ(といっても、テーブルとパイプ椅子)がパラソルを広げて営業中である。

 あまりののどの渇きに「ラガー(=ビール)」を注文したところ、アイスコーヒーだけが早々と運ばれてきた。「ん?」

 アイスコーヒーを2つ頼んだことは確かなのだが、明らかに見た目の量、つまり、ガラスコップに入ったコーヒーの量が違う。さらに、添えられたスプーンの長さが違うことにも気づく。もちろん、量が多いアイスコーヒーには長いスプーンである。それでまたもや「ん???」

 そう! どうやらラガーをラージと聞き間違えたようだ!

 ちなみに、この国のビールは炭酸もきつくないのでゴクゴクいただける。ちょっとした街角で頼んでもちゃ〜んと冷えたビールが出てくるからまたうれしい。

<シエスタ>

 朝から夜9時近くまで日が出ているので、午後2、3時ともなるとさすがに体力を奪われる。そんなときは一度ホテルに帰って、昼寝を決め込む。せっかくの時間・・・というなかれ。シャワーを浴びてすっきりしたところで、夜8時、9時から出かけても十分に楽しめる。ショッピングセンターも夜11時までオープンしているのだから。

<食の楽しみ>

 ここでポルトガル料理について。グラサ展望台から一気に坂を駈け下りて、一番に目についたレストランへ直行。のどもカラカラ、おなかもペコペコ。まさに駆け込んだというのが正しい表現だ。

 ウェイターお薦めの本日のランチを注文。出てきたのは、厚さ1cmほどにスライスしたベーコンのような形をした豚肉の炭火薄焼き。大粒のブラックオリーブとパセリが添えてあり、レモンを絞って頂く。それに白いご飯がついてくる。この国のライスはなかなか美味しい。しかも、ふっくらと上手に炊けている。

 そう、イギリスではまずもってポテトもしくはパンがついてくるが、ここポルトガルではライスという選択もある。メニューを見てオーダーする際にメインディッシュに何がついてくるか確認するのも良いだろう。

 お会計はというと、テーブルクロスがわりに広げた大型の紙ナプキンにウェイターがボールペンで、ランチいくら、飲み物いくらと書き込んで計算。明朗会計である。