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永遠なる無駄遣い


海外逃亡顛末00#4
ロンドン・ポルトガルの旅
永遠なる無駄遣い

ロンドン・ポルトガルの旅(4/5)


<シントラへ>

 せっかくのポルトガル。リスボンだけではもったいないと、シントラを目指すことにした。

 シントラはリスボンから北西方向に行った山奥の小さな町で、森に囲まれた静かな地には避暑に訪れる人が多い。

 ロッシオ駅から鉄道で約45分。列車の旅は快適だが、景色は思ったほどには楽しめない。


山のてっぺんに見えるのがムーア人城跡


 シントラ駅に着いたら、まずは改札口左手にある観光案内所へ。そこで地図と周辺の町へのバスの時刻表などを手に入れる。    

 半日くらいでおおまかにシントラを楽しもうという人には、$600で一日乗り放題というバスをうまく活用することをお薦めする。駅→シントラ・ヴィラ→ムーア人城跡→ペニャ宮の4ヵ所を周回する路線で、乗り降りは自由だ。

 まずは駅を出て、左手に進む。大きな道を案内版にそって歩くこと10分ほどで、ムーアの泉が見えてくる。ここの壁もアズレージョで飾られている。  

 遠く、山の上にこれから目指すムーア人の城跡を見ながら、まずはシントラ・ヴィラまで行く。


水汲みに訪れる人で賑わうムーアの泉

 ヴィラから、先ほどの乗り降り自由バスでムーア人の城跡前まで行く。始めは「健脚派にはお薦め」というコースを選び、日ごろの運動不足を解消とも思ったが、なんのなんの。バスは急な坂道をひたすらくねくねと上へ上っていく。かなり上っている。まだ上っている。途中でギブアップした集団がバスに手を挙げるが、そこはだめ。決められた4ヵ所以外では乗せてはもらえない。

<城跡をトレッキング>

 バスの駐車場から、回転扉をくぐり、山道へと進む。少しトレッキングの要素を兼ねている。林の中をしばらく歩くと、廃虚となった城跡が見えてくる。眼下に広がる景色は、シントラが森の中の都だと実感させる。


 さらに城の基礎を築いていたと思われる石階段を上へ上ると、視界が一段と開ける。少し怖いくらいだ。今までに見たことのない眺望に感動するとともに、カメラを取り出したが、フィ、フィルムがない!

 というわけで、泣く泣く後で購入した絵葉書がこれである。


 さて、心地よい風に汗も引いたところで下山。覚えたてのポルトガル語で、出口(Saida)とある矢印の方向に向かったものの、かなりハードな道である。見るからに山歩きに来たような男性2人組がひょいっと追い抜いていく。ちょっと不安になりながらも、ひたすら一本の下り道を進むしかない。考えようによっては、緑深い山、キラキラとした木漏れ日のなか「森林浴」の状態にあるのだが、それにしても慣れない山道に息が上がる。


 と、いきなり出口のくぐり戸を抜けると、道路にでた。そう、一気に山の下まで下りてきてしまったのだ。先ほどの山歩き隊に尋ねると、次の目的地ペニャ宮は「あっちだ!」と今下りてきたばかりの山のてっぺんを指差して、さわやかに笑う。

 うーーーん、なんたる失態。ここからもう一度上れば行けるよ!と笑顔で言われたが、首を横に振り、再度乗り降り自由バスにて向かうことにする。こういうときに、バスは便利だ(笑)。

 というわけで、ようやくたどり着いたペニャ宮。山奥には似付かわしくないカラフルなお城だ。    

 シントラ・ヴィラ一帯はカフェやお土産物屋が立ち並ぶ。レースのテーブルセンターやポルトガル製の陶磁器。コルク製品など思わず立ち止まる女性が多い。  

 レプブリカ広場の中心にあるのは王宮跡。