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こちら情報局


「からむニスト」
『東京新聞』
02年12月29日付
こちら情報局

中国からの贈り物

 日本の小学校に転校してきた中国の少女を追った「小さな留学生」の監督である張麗玲さんの「壮絶な」7年間の全記録がドキュメンタリーで放映された。たいしたものだと見入ってしまったが、なぜか後味が悪い。何故だろうか。どうも、番組制作側の別の意図が垣間見えてしまったからのようだ。
 
 一つには、彼女を素人と見るかどうかだ。中国では有名な女優だった。北京滞在中の養父は名監督。そのキャラをフジテレビは担保としていたのでは。
 
 もう一つは、現在の彼女が「大富」の社長であること。 ここは彼女が在籍していた大倉商事とフジテレビが作った会社。大倉商事は倒産したが、彼女の頑張りで出資者を集め、連鎖倒産を免れている。
 
 彼女の頑張りは素直に認めつつも、純粋なサクセスストーリーとしては受け入れられない。もし、フジテレビが出資会社の宣伝を兼ねて制作したならば、なかなかしたたかだ。