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こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
03年10月24日付
こちら情報局

マニュフェスト

 マニュフェスト花盛り。民主党が先に仕掛け、しぶしぶ自民党が追従。何年か経てば、二大政党に向かうのか。
 
 ところで、マニュフェストって何?「ええー、知らないのですか?選挙公約ですよ、選挙公約・・・」なんだか、読者の皆さんの突っ込みが聞こえて来そうだ。
 
 でも、マニュフェストって、どうやら選挙とか政党政治だけに限ったものではないようだ。日本では既に定着している。(へぇーー)
 
 実は、マニュフェスト(manifest)は環境問題に関する分野では耳慣れた言葉だ。「廃棄物管理票」のことを指す。
 
 少し前の「現代用語の基礎知識」で調べてみた。3年前の2001年版では、マニュフェストは管理票、集荷目録。マニュフェスト制度は、「ごみ排出事業者がゴミの運搬・処分業者に処理のプロセスをチェックする管理票を交付すること」となっている。
 
 このマニュフェストを排出業者、収集、運搬業者、処分業者の間で受渡することによって、廃棄物の流れや処理状況を自ら把握できるようにするものだ。
 
 産業廃棄物を出す企業はこのマニュフェストを保管し、年間実績などを都道府県や政令市に提出しなければならない。不法投棄の防止や適正処理の確保を目的として法制化されたもので、違反した場合には罰則が適用される・・・。
 
 ふむ、政党公約なんて綺麗ごとばかりで、これまでも公約もあったのだし、どおってことないよなどと思っていたが、こうして見ると、マニュフェストの大先輩で、国内でも定着した例はあったのだ。
 
 こうなると話は早い。両者を比較し、足りないところを補えばいい。政党に関するマニュフェストも「管理票」みたいなものを発行し、保管してもらうのはどうか。
 
 そもそも、政権とらなきゃマニュフェスト出来ないなどと小さいことなど言わずに、管理票を発行し、一年間積み上げ、政党としての「健全性」を示すことも出来そうだ。
 
 マニュフェストは特効薬か、はたまた劇薬か。たぶんエスカレートして行きますので、使い方には要注意ですよ、議員の皆さん。