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こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
04年03月26日付
こちら情報局

卒業シーズン

 テレビ番組では最終回が目白押し。卒業シーズンである。筆者の有能なるスタッフも二人卒業を迎えた。一人は結婚とともに、ご主人の仕事で大阪に移り住んだスタッフだ。ネットの時代だし、そのまま専業主婦もなかろうと、バーチャルオフィスの実験を兼ね、それまでどおり、仕事を一緒にしてきた。
 
 筆者の「暇を見つけて大学院にでも通ったら」とのアドバイスに従い入学。その後、この出来すぎたスタッフは、筆者が仲間らと独立すると決めた矢先、ご主人の転勤で東京に戻り、立ち上げ時の幹部の一人として名を連ねてくれた。
 
 元来負けん気の強い彼女、大学院での授業のために、毎週、東京と大阪を往復。おおよそ1年、主婦に経営コンサルタントに大学院生の三足の草鞋。その間に、筆者の著書の原稿の取りまとめや、図表の作成を引き受けてもらった。
 
 で、めでたく卒業。がんばった甲斐があり、学科の代表となり、壇上で賞状を頂くことになった。当日、携帯メールで「おめでとう、よくがんばりました」と伝えたら、「壇上で生年月日まで読まれてしまって・・・」と返ってきた。
 
 もう一人の大学院生は、先週お伝えした「ビジネス沖縄」のデザインを担当した四郎君である(アドレスが不完全だったため、再掲)。彼も学問とシンクタンクの二足の草鞋で、質実剛健の好青年に成長。修士論文で優秀論文賞を得たようだ。
 
 二十歳から長期インターンシップで面倒を見てきたが、手間のかからないスタッフであった。4月からは最難関の外資系コンサルティングファームで働くので、運が付くようにとお気に入りのスーツとネクタイを数着渡した。 
 
 ネットワーク社会にどっぷりつかり、バーチャルな対応が多い筆者だが、彼ら彼女らと出会えたことを素直に感謝し、筆者に成長する機会を与えてくれたことを誇りに思う。スタッフらと歩んだ道を振り返り、自らを再確認する、棚卸しの時期でもある。