古舘伊知郎。
最初の一言を待っていると、いきなりの謝罪から入った。
「どうもすみません、まだキャスターではありません」「暫く育つまで待ってください」そんな風に聞こえた。
ちょっと痩せたのは気のせいか。或いはお茶の間人気を狙いダイエットしたのか。
F1ブームの絶頂時に、アイルトン・セナを「音速の貴公子」と例えたが、本人は、自分自身をどう捉らえているのか。捉えてもらいたいのか。
まずは、語り部の心境で神が舞い降りる瞬間を、ひたすら待っているのだろうか。
気になるのは、好かれようとしていることだ。
まずは嫌われろ、嫌われて欲しいと思う。
番組初日の印象。報道は少しで、あとはスポーツ・スポーツ・スポーツ。
ま、スポーツ担当キャスターにスポットライトを当てて、次週に持ち越すしかないのだろう。
あとは、神風を待つのだろうか。でも、オリンピックが始まれば、現地からの中継があるのかもしれない。
或いは、いきなり中近東に飛び、精神的指導者への単独インタビューでも取り付けるのだろうか。
だが、本来、何もない状況で、自らが発酵し、お茶の間を番組に惹きつけるオーラが求められる。これまでの技を使いつつ、新しい技を編み出すのか。金網デスマッチの心境なのだろう。
古舘伊知郎。
実は、テレ朝への凱旋帰国である。
あの幻のモスクワオリンピック要員としてテレ朝入り。テンション高く突き抜け、独自路線を確立し、舞い戻ってきた。
古舘伊知郎。
後継番組として見られたくないと思えば思うほど、比較され、プラスアルファを求められる。
そうそう、足し算よりも引き算が良いと思う。18年の垢を落とすには、18ヶ月ぐらいの時間を取っておきたいところだが、視聴者は待ってくれない。