トップへ


こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
04年05月07日付
こちら情報局

構造改革の肝

  道路公団に郵政民営化に年金問題。改革に向け議論がなされているが、どうもわかりづらい。
 
 原因の一端は、メディア報道にあるのではないか。その象徴が議員の年金加入問題。本質とは別の部分での駆け引きにマスコミも乗ってしまい、報道が議員の未払い問題一色になってしまった。
 
 うっかり支払っていないこともあり得る仕組みや、そのリカバリーをどうするかという問題と、最初から確信犯で損するから払わないという効率的な発想の人々の問題をごちゃにしてはいけない。
 
 法律を通す、通さない、の「業(わざ)」に終始している政治プロが多すぎるのも気になる。
 
 道路の問題にしても、前提となる、どのような社会を目指すのかを追求し、具体的に見せるのがマスメディアの使命のはずだ。これまでの無駄遣いをどうするかは別にして、国土のほとんどが陸続きでつながっていて、素早く快適に移動できるというのは大事なことではある。
 
 比較的豊かと言われる高齢者からも、これ以上税金をむしり取れないだろうし、だったら彼ら彼女らが快適に暮らせる、お金を使える環境を整備することが筋だ。
 
 そういう意味では、地方空港と新幹線、第二東名ぐらいは整備してもいいと思うし、もっと他に削れる無駄な部分はあるのではと思う。そして我々も道路そのものをもっと大事に使うべきだ。
 
 狭い空間を、コミュニティを構成する私達が、いかに上手に使うかだが、郵便配達のバイクは、配達中だからと歩道を堂々と走り、タクシーは平気で交差点で乗客を乗降させる。コンビニで買い物だからと平気で止めて大渋滞を引き起こす車も後を絶たない。
 
 解決策をひとつ提案したい。民間のやり手社長を大臣に据えて欲しい。例えば、日産のゴーン社長をみすみすフランスのルノー本社に持っていかれるのではなく、これら構造改革の諸問題に腰を据えてやってもらえないだろうか。
 
 メディアからもこうした提案を期待したい。