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こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
05年03月25日付
こちら情報局

超高齢社会

  卒業シーズンまっただ中。筆者も、隔週で担当してきた本コラムを今回で卒業のようだ。98年の「本音のコラム」から、なんだかんだと東京新聞で執筆しているので、生活の一部と化しており、書き残したことも多々ある。
 
  特に、気になるのが、超高齢社会の到来だ。「救命病棟24時」(フジテレビ)が好評のうちに最終回を迎え、来週には看護師編が2時間スペシャルで放映されるが、筆者もここ二ヶ月、病院との関わりを強く持つ出来事があった。
 
  筆者には昭和一桁世代の両親がいる。子供思いの二人は、ちょっと具合が悪くなっても、仕事に影響を与えてはいけないと、病気を知らせてくれない。ものすごく悪くなっても、救急車を汚してしまったら申し訳ないと変な配慮をする。
 
  二月初めのこと。三年前に手術して、すっかりよくなっていると思っていた母から、実は時々体調を崩すと言われ、びっくりした。具合が悪くなったらすぐに救急車を呼ぶように勧めた翌日、救急車を呼ぶ状況が発生し、そのまま入院。
 
  落ち着くまでには、実は紆余曲折があった。かかりつけの病院は、救急部門の受け入れ態勢ができていないとのことで搬送を拒否され、別の病院に。弱っているのに散々検査を受け、その病院からかかりつけの病院に移動する承諾を得る。病院から病院への救急車での搬送は不可らしく、駆けつけた筆者の自家用車を使い、自力で搬送した。
 
  1ヶ月半にわたる入院、手術の後、おかげさまで手術は無事成功し、母は退院。今はリハビリの日々。父が慣れない手つきで台所に立ち、夫婦仲良く支えあっている。
 
  不思議なことだが、厳しい状況で筆者がめげそうになると、心にある歌が流れてきた。「優しい時間」(フジテレビ)の主題歌、平原綾香の「明日」である。テレビに救われた日々でもある。
 
  テレビで日本語を覚えた筆者は、全てのテレビ関係者の奮闘と健闘に感謝したい。これからも、良質の番組、生きる力と勇気を。