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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
00年7月7日付
こちら情報局

M:I-2

 M:I-2(ミッション・インポッシブル2)を見た。日本では明日から全国でロードショーだ。

 ああ、試写会とかで見たんでしょ、と思ったら大間違い。シンガポールの伊勢丹デパートの上階にある映画館で、現地公開一週間後の6月上旬の話である。マレーシアでも上映していた。ということは、日本ではアジアより1ヶ月遅れでの公開だ。

 現地駐在経験のある知人に話したら、僅か数年の間に随分と進歩したなぁと感慨深げだった。

 それだけ、欧米型のビジネスモデルが徹底し、先端メディアによる市場創造が急ピッチで実現しているのかもしれない。

 映画代はと言えば、購買力の差があるのだろうが、日本円に換算して500円あまり。それも座席指定で緊張しての場所取りはない。

 ディナー前に23時からの上映の座席を確保し、あとはゆっくり食事をしながら、上映直前まで時間を潰せばよい。

 上演時刻に、もぎりのおじさんが登場し、暫くすると予告編となる。予告は日本同様三十分以上もやっているから、見慣れている観客は本編ギリギリに登場する。

 さて、内容はここで言ったら台無しだ。トムクルーズのルックスへの期待だけで見る人もいるだろうし、ジョン・ウー監督の映像マジックを堪能することも良かろう。

 印象的だったのは、ハリウッドのアジア・シフトが加速していることだ。この傾向はチベットなどを題材にした数年前の政治性を凌駕し、アクションなどのエンタテイメント性にシフトしつつある。

 香港ばりのアクションシーンをオーストラリアのオペラハウスで繰り広げるのは、オリンピック開催に向けた観光マーケティングであり、前回同様PCにマックが使われているのもタイアップ?そう感じたのは職業病かもしれない。