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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
00年9月8日付
こちら情報局

オランダ

 実は明後日から、欧州方面に調査を兼ね出かけるところである。

 今年はオランダとの交易400年であることだし、レンブラントでも見に行くかとベネルクス三国(オランダ、ベルギー、ルクセンブルク)を探索する。

 実は、そんなに遠出をしなくとも、国内では「十七世紀オランダ美術展」が上野公園の国立西洋美術館で今月の二十四日まで開催中であり、レンブラントとフェルメールの作品の多くが集合している。

 バブル崩壊後も日本では数多くの展覧会が催されており、諸外国の日本および日本人の購買力に対する期待の大きさを実感させる。

 そういえば、ここ数年、お目当ての絵画を見にいざ出陣した先で「貸出中です」という事件に何度か遭遇している。それも東京とか横浜ですと小さい文字で壁にピン止めされた白い紙を見ると複雑な気分にさせられる。

 日頃の行いの悪さを反省することしきりだが、それでも遠出することのメリットは十分にある。

 一つは、絵画の大きさや常設で展示されている美術館の他の作品との整合性を実感できることだ。

 もう一つは、その作品が生まれ育った場所であれば、町並みや生活する人々からおおよそ絵画の生まれる瞬間なるものの息づかいを感じることができることだ。

 バーチャルの時代とはいえ、実体験する重要さは敢えて指摘するまでもない。都市のデザインや人々の暮らしを知ることは、政治や経済でのコミュニケーションを図る上でも重要な知識となる。

 実は本業での最大の関心事は、アムステルダムのスキポール空港であり、欧州一のハブ空港を探索しつつ、羽田空港の将来ビジョンなどの政策提言に繋げたい。

 旅の様子は帰国後、順次個人ホームページ(http://bar.cplaza.ne.jp/)にて公開する予定だ。