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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
01年6月1日付
こちら情報局

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ASEMと日本外交

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 先週開催されたASEM(アジア欧州会議)で田中外相は華麗なる外交デビューを果たし、国内メディアでも概ね好評だ。が実はASEMでは日本は蚊帳の外。真紀子さんでなければ、大変だったのでは?

 というのも、ASEMとは米国一辺倒の経済覇権に対するASEAN(東南アジア諸国連合)と欧州の反発であり、ビジネス連携の枠組みだからだ。

 日米関係を重視する日本は、米国抜きのこの枠組みに及び腰で、イニシアチブ(リスク)を取りきれていない。

 ASEAN側からすれば、過去に二度日本に裏切られている。一度目はEAEC(東アジア経済協議体)。日本の参画を予定し、純粋なアジア連携市場を醸成したかったASEANだが、危機感を強めた米国が豪州を巻き込み強引にAPEC(アジア太平洋経済協力会議)なる別組織を展開。枠組みを太平洋に拡大し、米国主導を継続。

 二度目がこのASEMである。ASEANは欧州と東アジア諸国(日中韓)を迎える形を思いつき、再度日本に期待したが、日本はまたもや米国に遠慮。韓国が大きな役割を果たした。

 皮肉なことに、アジア通貨危機で支援元の韓国が打撃を受け、ASEANの魅力も衰退。が、欧州は中国の潜在的な市場規模に期待しているというのが現状だ。

 日本はというと、あちらこちらに多くの町内会費(機密費やODA)を支払っているが、スイカ割りにも参加できずに遠巻きに見ているだけなのだ。