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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
01年6月8日付
こちら情報局

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長寿

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 厚生労働省の研究班が全国の高齢者約二万二千人(六十歳以上)を対象とした追跡調査を発表した。

 その中で、日頃「健康でない」と感じていた人の生存率が低いことから、「健康と思えば長生きできる」と結論づけているのには首を傾げた。

 「とても健康」と答えた人の生存率は高く、「まぁまぁ健康」「あまり健康でない」「健康でない」の順で生存率が落ち込むという。

 でもその差は僅か8%。この結果から「病は気から」を導き出すのは乱暴だ。

 むしろ、健康でないと考える人も、かなり長生きできることに目を向けるべきである。

 趣味を楽しみ、軽い運動を行い、付き合いも外出も積極的だと寝たきりや痴呆になりにくいという結果も報告されているが、そんなことが最初から出来れば苦労はしない。

 問題は、あまり活動的でなかった人に、高齢者なのだから健康に注意して社交的に、といきなり言ったところで、出来る人が少ないことだ。

 せっかく厚生労働省になったのだから、そうした調査結果を元に、中年や青年の時期から早めに手を打つよう奨励し、雇用主を指導したらどうだろう。

 残業続きで休日ともなれば自宅に引きこもりひたすら「寝溜め」をしなくてはならない現状を改善し、十年毎に2ヶ月の長期休暇や休暇中の遊び方を身につけさせることなどを提案したい。