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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
01年8月17日付
こちら情報局

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英語力

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 最近は裁量労働制、年俸制が導入され、管理職になるにはTOEICなどの英語検定での高得点が不可欠になっている。

 そうしたことが背景なのか、転職希望者向けのキャリア雑誌から、「英語力」に関する取材を受けた。

 英語漬けになるにはどうすべきか。意識を集中し、フレーズを覚えるためには映画や音楽を聞く、小説を読む。身の回りのことを英語で説明する練習(声を出して話す)などが効果的だと説明した。

 しかし、実際のビジネスとなると、中途半端な英語では相手をイライラさせる。本格的な提携や契約ならば、専門の通訳をつけた方が良い。

 最近は帰国子女も多くなったが、完璧な発音とは裏腹に、中高生時代に覚えた幼稚な言い回しが、相手をイライラさせる場合もある。

 まして英語はコミュニケーションのツールでしかない。話す内容に付加価値がなかったり、人間的に魅力的でなければ盛り上がらない。

 筆者はTOEIC試験を重視する企業に対してはいささか冷ややかに見ている。

 形だけ英語力を強化しても、スピード経営が可能な柔軟な組織が戦略的に動かなければ、国際的な競争市場では生き残れない。

 痛みを伴う構造改革。大学なども総動員して失業者のスキルアップを図るらしいが、彼らが活躍できる「新たな場」の創造も大事だ。英語力にどこか似ている。