トップへ


こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
99年8月27日付
こちら情報局

3時間ビジネス

 このところ沖縄への出張が増え、当コラムの読者や筆者のホームページを訪れた方々から「沖縄ですか」「いいですねぇ」「羨ましい」との応援(?)メールを頂戴することが多々ある。

 確かに青い海と空、温かい県民性に触れる素晴らしさは魅力ではあるものの、その真っ直中で仕事をこなすことは、苦痛以外の何物でもない。ちょうど空きっ腹のセントバーナードが大盛りのドッグフードを前に「待て!」と言われているようなものと自虐的に考えている(笑い)。

 さて、そんな沖縄への出張だが、最初の頃は物珍しさも手伝い、毎回違うホテルに宿泊し、各ホテルのビジネス利用度を勝手に格付けさせて頂いていた。

 どうやらそれにも飽きてきたので、次に注目したのは航空機。ホテル程の好みの差はないだろうと漠然と乗り比べを開始したのだが、これはと思うものを発見したのでこっそりお教えしよう。

 全日空では沖縄線に限り、新作映画を上映している。どう調べても上映作品は乗ってのお楽しみのような状況であるため、「試験的に」と表現させて頂く。

 例えば、先週の木曜日は五日前に全国ロードショーが開始されたアメフトのドタバタ・コメディー「ウォーター・ボーイ」であった。

 そうそう、こうでなくちゃ。こういうことはどんどん宣伝して、広めるべきだ。国内で最新ロードショーを見られるのは、全日空沖縄線だけとなれば、映画好きの多忙なビジネス・パーソンは全日空を利用することになる。

 同じことは東京・大阪間の新幹線にも言えよう。3時間弱の乗車時間があるのだから、慌ただしく到着する航空機と張り合わず、映画の上映などを検討可能だ。時間・距離のデメリットをプラス思考する発想が競争力を強化する。