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こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
03年09月26日付
こちら情報局

第二次改造内閣

 小泉首相の圧勝で終了した党首選。主演男優賞はやはり小泉純一郎氏だった。
 
 そしてすぐにパート2の撮影に取り掛かる。今度は脚本と監督賞を狙っているようだ。
 
 変えろと言われた竹中平蔵氏は金融担当と経済財政担当大臣を兼務のまま留任させた。
 
 こういう場合、普通、どちらか一方を辞めさせ、様々な方面に配慮するところだが、いっさい妥協しない。
 
 TBSのアサ秘ジャーナルで坂口厚生労働大臣は、小泉首相「頑固」と評している。
 
 そんな、純ちゃんのやり方に、当日の内閣改造名簿を予想するテレビ各局が混乱した。NHKに至っては、「今入りました情報によりますと・・・竹中大臣は金融担当を外れた模様です」と先走った。さんざん背景を解説し、いざ蓋を開けると両方とも留任。マスコミ泣かせである。
 
 小泉首相は「改革路線に変更がないことを国民に示す意味がある」と強調したが、これは企業で言う「コーポレートガバナンス」、すなわち、国は誰のものかの考えに従い、株主にあたる、国民に直接説明したことになる。
 
 初代大統領・小泉純一郎が誕生した瞬間なのかもしれない。
 
 若手登用もお得意のようだ。安部晋三氏を幹事長に据え、早くも49歳若手ホープの人気が沸騰している。これまで構造改革でサンドバッグの役割だった46歳の石原伸晃氏を国土交通大臣にシフトし、ボブサップ級の抵抗にも耐えろと伝える。 
 
 結局、自民党をぶっ壊すというのは、経営戦略でいうところの「デ・コンストラクション」に従い、自民党を再生していることに他ならない。
 
 いうなれば、カルロス・ゴーン氏の日産自動車リバイバルプランのようなものだ。
 
 気になるのは、円高の行方。メディアが内閣改造にのみ焦点をあてている間に、G7では過度の為替介入に批判が集中した。それを受けて週明けから円高が一気に進んだ。
 
 経済再生に向け、がんばらなくちゃー、がんばらなくちゃーなのだが、改革推進=経済再生なのかは依然不透明である。