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こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
04年07月02日付
こちら情報局

東北新幹線

  「世界の車窓から」は好きな番組の一つだ。報道ステーションが終わった直後の数分だが、30代にヘッドハンティングされかかった広告会社で、そうしたスポット番組を創りたいと答えたら、誰でも希望し、一番難しいと内情を暴露された(苦笑い)
 
 だからというわけではないが、夏休みに欧州に行くと列車に揺られ、世界の車窓に浸る。
 
 国内ではそうした時間を作ることができず、もっぱら新幹線での移動だが、その中では、東北新幹線がお気に入りだ。グリーン車で唯一飲み物サービスがあるからだ。
 
 構造改革の昨今、新たな新幹線建設も無駄の一つとみなされているようだが、小泉総理が提唱するビジットジャパンでいえば、諸外国、特に中国からの観光客の新幹線乗車は、大変人気となっている。
 
 もっとも、東京−大阪間ではコストが嵩みすぎることから、適当な一区間の乗車が多いようだが、日本の技術を見せる意味では日本ブランドの宣伝効果は高い。
 
 新幹線については、早さだけでなく、2時間前後の乗車時間に着目し、付加価値を堪能できるようにしてもらえるとありがたい。特に、グリーン車では、座席前にそろそろ液晶画面をつけて、映画三昧に出来ないものだろうか。
 
 さて、先週金曜日のこと。早々に座席に着き、発車を待っていると、ベル音が鳴り響くなか、駅員が押す車椅子と付き添いのご婦人がホームに駆け込んできたのが見えた。
 
 到底間に合いそうにない状況で、駅員さんが相当がんばってホームまで車椅子をエスコートし、最後は、車椅子の乗客をおんぶして、車両へ。もう汗びっしょり。
 
 ゆっくり走り出した列車の中から見ていると、無事送り込んだらしく、先ほどのご婦人は丁寧にお礼をしている。とてもほのぼのする光景だ。
 
 小言を少々。チケットだが、乗るべき列車名、号車番号、座席番号に窓通路のアルファベット。そうそう、その前に乗車ホームの番号確認がある。もう少し、解りやすく表現できないものなのか。