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こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
05年02月11日付
こちら情報局

恐怖CM

 元祖「ながら族」の筆者は、仕事中もテレビはつけっぱなし。昼間も奥様番組が点いていたり、予算委員会の人生劇場を見たりと大忙し。といのも仕事柄、ニュース速報などが欠かせない。24時間365日、寝ている数時間以外は、テレビとともに過ごす日々。
 
  現にこの原稿は出張先のホテルの部屋のテーブルで書き、いつものようにテレビ番組が流れている。
 
  さらに、テレビは夜のお供としても強い味方だ。長時間の深夜残業、出張先のやや雰囲気の悪い部屋では、寂しさを紛らわすため、見るでもなく、テレビをつけ、自らを勇気づける。
 
  そんなテレビライフも、ここのところ、ちょっと困ったことになっている。映画の宣伝で、気色悪い声が聞こえてくるのだ。「ガァアアアア、ゴォオオオ」と、喉の奥から唸るような声。所構わず、朝から晩まで、結構な頻度で流れている。ちょっと勘弁して欲しい。
 
  告知しなきゃ、見に来てくれないのは解るが、最初から興味がない人もいるのだ。苦手なのだ。
 
  で、苦手な映像があったとして、それを見る・見ないの取捨選択の権利を失いたくはない。
 
  筆者の場合、まだ、特に持病もないから、なんとかやり過ごせているが、小さなお子さんがひきつけを起こしたり、心臓の弱いお年寄りが難儀したりしないのだろうか。
 
  筆者は、そういうコマーシャルを流された瞬間、チャンネルを変えることにしている。つまり、番組ごと抹消させていただいているのだが、それは番組の他スポンサーにとってもよくないことのはずだ。
 
  そもそも、スポンサーは自社の提供する番組の他スポンサーが何処の誰なのかを知っているのか。
 
  もちろん、そうしたホラーものがお好きな皆さん向けの番組もあるだろうし、そこで宣伝することを否定するものではない。
 
  そんなことを書こうと思った矢先、映画館の新着映画紹介の冒頭でイキナリやられた。目当てのコメディ映画が台無しとなった。