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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
00年5月5日付
こちら情報局

子供の日

 今日は子供の日である。

 背比べ(せいくらべ)のために、印をつけられる柱などはどこへやら、そんなことをしなくとも子供の丈はあれよあれよと伸びている。

 顔は小さく、股下長い若者が町中を闊歩し、明日のパリコレだなぁという中高年世代のひがみが聞こえて来そうだ。

 世界中には栄養失調等で餓死寸前の子供がたくさんおり、飽食の日本の浪費を反省しつつも、この時代に日本に生まれ育つ子供達は幸せだなぁとも感じる。

 そうは言うものの、当事者である子供達は、学校でのいじめや恐喝、受験戦争へのストレスなど、「所詮大人は解っちゃいないのよん」と反論して来そうだが、そもそもそういうフレーズは数十年前の筆者も発しており、そのまた大先輩達も同じ言葉を口にした。

 さて、少年法など現行制度の矛盾が子供達の凶悪犯罪の助長につながるという話が一方で存在するものの、超高齢社会の到来で、他方こういう話もある。

 今の世の中、人生長くなったのだから、割り引いて年齢を考えるべきだということだ。

 三割引き(70%)で年齢を考えると良いという主張がある。筆者で言えば28〜29歳というところか。悪くない。

 30前は大げさだが、大学院生活が長く、社会人デビューが7年遅れたことを差し引いて行動していたので、主張には大賛成である。

 そういえば、70歳になる父は、昨年ようやく現役を引退したのだが、近くスポーツタイプの外車を購入すると息巻いている。

 ディスカウントすれば50前なのだから、第二〜第三の人生を謳歌するのを制止するつもりは毛頭ないが、他人様への配慮も必要と説得の毎日。超高齢社会での生き甲斐と安全対策のトレードオフが次なる命題として浮上する。