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東京渋谷のビットバレーに対抗し、あるいはこちらこそ本家本元だと札幌駅北口周辺にIT(情報技術)関連産業が集積を始め、業界通の間で俄然注目されている。
あれ?少し前までは沖縄と言っていたのではと突っ込まれそうだが、最南端と最北端はパイオニア精神としての共通項も多く、ここは何かコラボレート出来ないかと考え、メディアでの解説を頼まれたのを機に、先日現地調査に行って来た。 サッポロ・バレーが注目されるきっかけは、6月下旬に誕生した「ビズ・カフェ」である。周辺には北海道大学や北海道通産局があり、札幌駅から徒歩一分のこのカフェはIT関係者に出会うのに都合の良い場を提供している。 ビズ・カフェは、1階が喫茶のための各種ドリンク・軽食を提供するカウンター・スペースになっており、2階が飲食兼商談スペースとなっている。 壁には通信のためのコンセントが配置され、別途会議室や打ち合わせ室もレンタル可能だ。 ビズカフェのヒットを予期させるのは、何も急速にブームとなっているIT革命のせいではない。 そんなことを言われたら、25年の歴史を有する北海道の有志諸君から猛反発を食らうだろう。 彼らの起業家精神は北大の名物先生である青木教授の「マイコン研究会」がそのルーツだ。大げさに言えば、既に第三世代、第四世代に引き継がれている。 ヒットの予感は「情報交差点」である駅に隣接すること。様々なナレッジを吸収しやすい。 気になるのは国を挙げてのITブーム。結局のところ、公共投資を引き出すためのハードインフラが主体となる気配を予感させられるが、サッポロ軍団はそんなことはおかまいなしに、シリコンバレーでの成功をも目指している。
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