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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
00年8月11日付
こちら情報局

海外リスク情報

 夏真っ盛り。日頃のストレス解消と実地見聞を兼ね、休暇が取りやすいこの時期に海外に旅立つ計画を立てている方も多いはずだ。

 円高に伴う海外進出ブーム、あるいは少し遅れてのバブル景気、トレンディードラマや女性誌での海外旅行特集なども手伝って、毎年海外に遊びに行くことは、何も特別なものではなくなっている。

 それにともなって、自己責任が問われ、自らが出向く彼の地の安全情報を入手しなければならない時代が到来した。事件事故や誘拐に巻き込まれる日本人観光客の数は10年ほど前から増え続け、外務省などがファックスやインターネットでの情報提供を行っている。

 訪れようとしている国の今現在の政治状況やカントリーリスクについての情報は、相手先の地図やお奨めの観光スポット情報を入手するのと同じくらい自然に集めたいものである。

 が、そう言われても一般の人にとっては、なかなか注意喚起出来るものではない。NHKでは海外のみで放送している衛星番組で最近多発する諸外国での事件事故の背景や犯罪手口を5分ほどのスポットで流しているが、是非国内でも流して欲しい。

 海外の高級ホテルであれば、NHK等の視聴も可能だが、格安では無理。国内での放送を検討してもらいたい。

 ちなみに、ヨーロッパでは集団による羽交い締めでパスポートや金品を強奪されるケースが頻発、アジアではエスカレーターで前の人がわざと倒れ、それを助けようとする間に後ろの仲間がバッグ等をひったくる被害が多いようだ。

 意外な盲点と思ったのは、美術館等での手荷物の一時預かり。入場制限される夏場など、だいぶ並んでいざ入る時にバッグを預かると言われ、貴重品をもって行かれる。ご留意を。