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今回のオリンピック、前半部分を欧州でテレビ観戦したせいか、気になることが幾つかある。
個々の国がそれぞれの代表選手を応援するのは当然として、ヨーロッパでは「元同盟国」への声援も少なくないようだ。 オランダでは、インドネシアの代表選手の活躍を紹介する場面が登場した。どういうテンションでどういうマインドでの応援なのかは不明だが、ちょっと驚いた。 そういう観点からすると、日本では、日本選手団の活躍が連日紙面を飾っているが、日本以外で、自分の国のことのように喜ぶ外国の方がどれだけいるかという疑問が沸く。 この問題は外交政策とも密接な関係を持つのだが、日本の活躍をことのほか喜ぶような潜在的なファン(外交関係国)を増やすことがミッションであり、そのための「日本ブランド」をいかに創造するか戦略的な対応が望まれる。 外務省あたりでは、伝統的なODAでのバラマキ型からの変革を模索している段階にあるが、諸外国の一般の人が親近感を抱くようになるような長期的なプログラムへの支援も望まれよう。 例えば、アジアのしかるべき場所で運動選手の養成センターを共同で運営するような施設を設け、一流のコーチや選手を派遣し、共に切磋琢磨することも大切だ。 量(メダルの数)も大事だが、質(メダルを狙う姿勢、プロセス)を意識したい。 そういう意味では、男子柔道の100キロ超における、銀メダルが思い起こされる。 篠原選手本人や応援した私達の悔しさは晴れないものの、柔道の精神というのであろうか、ポイント稼ぎではない、「一本」へのこだわりを貫き通したことは立派だ。 「日本精神」の奥ゆかしさを世界に認知させ、唸らせたはずだ。
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