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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
00年12月22日付
こちら情報局

やまとなでしこ

 フジテレビ・ゲック(月曜九時)のドラマ「やまとなでしこ」が今週終了した。

 格好のマーケティングの定点観測材料として、民放各局のトレンディードラマの初回、二回目まではひとまず冷静にチェックするのだが、今回はしっかりはまった。毎回「やまとなでしこ」を見続けてしまったのである。

 二十一世紀を目前に、古典的なテーマである「日本の女性」をどう表現するのか、興味がわいた。

 「やまとなでしこ」。航空会社に勤務する主人公の女性が、お金持ちの白馬の王子様を待ち望み、結婚を夢見る。理想は馬主協会加盟の御曹司で、合コンで知り合った彼氏が魚屋とわかったとたん、前からプロポーズされていた開業医との結婚に向かい一目散。が終盤から心揺らぎ、純愛へと向かう。

 確か、投稿のコーナーで、男性こそが「やまとなでしこ」を研究し、女性心理を把握して欲しいというのがあったが、その通り。

 ドラマでは「カネ」と「地位」に執着する女性を表現したが、人間だれしもそうした特性を持つ。決して邪悪なものではなく、向上心、進歩の源泉と見なしたい。強いものに惹かれるのだ。

 ただし、この「強さ」がくせ者であり、富や地位だけが本当の強さではない。価値感は一方向ではなく、多角的に持ち合わせたい。

 ところで、人によっては、語呂の良い日に結婚したいようだ。先週、平成十二年十二月十二日というゾロ目が過ぎ去った。この次は平成十三年...。ない!十三月がないというなら一月三日というのはどうだろう。何?早すぎる。ならば西暦だ。二〇〇二年二月二日ではどうか。

 あまりのんびりしていると、その次は思い浮かばないので要注意だ。皆さんの健闘を祈る。

 メリークリスマス。