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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
01年4月13日付
こちら情報局

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さかもとちゃん

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  日本テレビの電波少年なる番組でお笑い芸人の「坂本ちゃん」が東大を目指すという企画をご存じだろうか。

 中学生レベルの問題も解けなかった青年が東大卒の家庭教師「ケイコ先生」の熱き指導を受け、「一に勉強、二に勉強」と唱えつつ、一歩一歩着実に学力をつけていく過程が実録で描写されていく。

 さすがに東大を目指したセンター試験では足切りに遭遇したものの、どこでもいいから大学に合格しようという企画に変更され、十数校を受験。

 八ヶ月にもわたる悪戦苦闘の末、先週の放送でみごと日本大学に合格したことが報じられていた。

 キャラクターもさることながら、企画の妙には唸った。坂本ちゃんが合格後に喜びとともに語った一言は教える人にとっては先生冥利につきるであろう言葉だった。

 『勉強した自分に知識が積まれていく楽しさがわかった...』そのようなコメントだったと記憶する。

 さて、教科書検定が話題になり、ゆとり教育で子供達の創造性を伸ばそうと大人が頑張っているらしい。

 が、坂本ちゃんとケイコ先生を見ていると、ゆとりとは何か、誰のためのゆとりか、沸々と疑問が湧いてくる。

 偏差値教育の弊害はいまさら語る必要はないが、才能のある人が足踏みをすることや、勉強の喜びや努力を積み重ねるプロセスの重要性が子供達に伝わらないのでは困る。