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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
98年7月10日付
こちら情報局

選挙に行こう勢

 タイトルの『選挙に行こうぜい』は、「日本を良くするため選挙に行こう」と呼びかけるチラシに書かれている合い言葉である。先週末、うだるような暑さが東京を襲った昼下がり、渋谷駅前でジャーナリストの下村満子氏から頂戴したものだ。もちろん、下村氏とは面識がなく一通行人として手渡されたのだが、以前から「企業の社会貢献度」などでの発言や著書等で名前と顔が一致していたこともあり、お声をかけさせて頂いた。

 全身汗びっしょりでキャンペーンを展開中。渋谷の前に恵比寿でも同じように声を上げ、投票の呼びかけを行っていたとのことだ。

 チラシの文言は、代表賛同人である作家の石川好氏が語りかける独特の文体で構成されている。選挙が近づいていること。前回九五年の投票率が全国平均四四%、有権者の半数が投票権を放棄するという恐るべき数字が出たこと。有権者のうちの三割が組織化された票であるという選挙定説に従えば、前回の参議院選挙では、残る七割の有権者のうちのわずか十パーセント強が投票したことにしかならないこと。選挙権の行使を放棄した過半数の有権者は政治に不満は言えないはずだということ。ご指摘、正にその通りである。

 チラシは『優れた政治家を生み出すためにも、有権者の力を見せるためにも、白票を含めての投票率の上昇が全てです』『投票率が五十パーセントを越えなければ、民主主義選挙は成立しないのです』で締めくくられている。

 この一大選挙キャンペーンに賛同した著名人は、一五一名。運動資金は全てカンパによりまかなわれている。今回の選挙から投票時間が二時間延長され、午前七時から午後八時までとなった。不在者投票は土曜日午後八時まで受付中。外国人のため投票権のない私としては、皆さんの投票を懇願するばかりだ。