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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
99年1月29日付
こちら情報局

沖縄サミット

 1999年の今年は、ノストラダムスの大予言など、古くから注目される年に当たる。いわゆる、世紀末思想であるが、年が明けたと思ったら、既に来年2000年以降の話で持ち切りではないか。

 コンピュータ分野では「Y2K」と呼ばれる問題への対策がいよいよタイムリミットに近づきつつある。オリンピックでも2002年開催のソルトレークシティー冬季大会を巡るIOC委員の買収疑惑で数名の追放が決定した。

 さて、標題であるが、今世紀最後の年に当たる2000年に、サミット(主要先進国首脳会議)が日本で開催されることになっている。そこで開催都市を沖縄にしてはどうかという提案である。

 現状、いつもの事ながら、自治体の誘致合戦が熾烈さを増しつつある。立候補を表明したのは北海道、千葉県、横浜市、大阪府、広島県、福岡県、宮崎県、そして沖縄県の8自治体。それぞれは、サミット開催による経済波及効果を期待し、開催地として世界に売り込むことで今後の観光につなげられるとの理由から、誘致活動を繰り広げている。

 開催地となるためには、事務方である官邸サイドによる格付けが必要とされる。主催国としてスムーズに運営するために、各国首脳の警備上の問題や会場周辺の交通アクセス、さらには報道陣を含めた宿泊施設の確保など、様々な角度から検討が重ねられる。

 なぜ沖縄開催かということだが、観光立県を宣言する沖縄への政府としての側面支援と、沖縄での開催が国際舞台での日本の立場をアピールする上で欠かせないことに注目すべきであろう。

 一度世界地図をひっくり返して見てみると分かり易いのだが、沖縄は日本を率いてアジアに向かっており、新世紀日本のアジアに対する貢献と意気込みを象徴できる。