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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
99年4月23日付
こちら情報局

マイレージ

 実は先週から海外出張中だ。リスクマネジメントの国際的な会合が米国のダラスで開かれていて、知識の共有を兼ね、参加している。どうりで都知事選の結果に沈黙し、お茶を濁したようなコメントに終始しているなどとは思わないで欲しい(笑い)。

 筆者はというと会合出席のための事前準備に大わらわ。この会合、学生からプロ中のプロまで、幾つかのレベルに分かれての討論と意見交換が待ち受けている。今年のテーマはY2K(コンピュータ二千年問題)。最新情報も含め、帰国後に改めてコメントをする予定だ。

 さて、国内外への出張、旅行を問わず、いまでは航空各社が発行・提供するマイレージ・プログラムなる付加価値サービスが評判を呼んでいる。

 空港でせっせと自動登録機に個人のマイレージ参加カードを挿入し、スタンプラリー宜しく、一定距離の搭乗に比例してもらえる豪華商品に期待を寄せ、アップグレードなどを利用しての快適な空の旅を考えている人も多かろう。

 このサービス、競合他社との差別化を図り、自社の固定客(リピーター)を維持・拡大する上で、思わぬ経営リスクが潜んでいることに経営トップは気付いていない。

 スターアライアンスなる国際的な航空各社の提携ネットワークを利用して、マイレージの加算を楽しみにして帰国した知人の話。

 帰国後のマイレージ精算で、必要な書類を送ったのに「不十分」と航空会社の担当者に軽くあしらわれたらしい。が、本人は職業上提出書類のコピーを絶えず保有。再トライするも同じ結果だった。

 なにも各社のマーケティング戦略に熱くなることもないのだが、頻繁に海外出張をするその友人は、あの一件以来、スタッフの分も含めシカゴを連呼する航空機には二度と乗っていない。