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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
99年6月25日付
こちら情報局

雨男

 梅雨空にため息をつくことも多い今日この頃。ようやく沖縄では一昨日に梅雨明け宣言となった。

 実は、先週央から今週始めにかけ、マルチメディア関係のシンポジウムで基調講演を依頼され沖縄に居たのだが、あいにく雨・雨・雨の日々。なにを隠そう、筆者は自他共に認める最強の雨男なのである。

 もちろん、たまたま訪れた彼の地で雨が続くだけであり、何か筆者の発するエネルギーが雨雲を誘発するわけでもない。しかし、小さい頃から大きなイベントになると必ず雨が強く降り出す傾向にあったのは確かだ。

 実際、この一年間だけでも、10月のシンガポールに季節はずれの大雨を降らせ、4月に山火事で困っていたフロリダに久々の慈雨をもたらした。

 この雨男の定義だが、「降って欲しくない時に限って雨が降る」と考えて頂ければ良い。仕事の時は晴天で、いざ海だ山だ遊園地だとなると突然雨が降るのである。

 さて、今回の出張では、セミナー終了後に「沖縄の観光に関する実態調査」も兼ね、日頃の不健康な生活を改善しようと計画し、梅雨明けの時期を狙ってイベントの開催をお願いした。が、案の定沖縄の梅雨明けが遅れ、降り注ぐ太陽にはお目にかかれなかった。

 おかげさまで、カラ梅雨を心配した沖縄の人達からは盛んに感謝されたが、事態はそれだけに留まらず、帰京の日には飛行機到着の夕方ぐらいから雨雲が出始め、帰宅の際には土砂降りになっていた。

 さて、そんな状況に対応するため、筆者はいつもカバンに雨傘を忍ばせている。「どうせ降られるなら、いつでもいらっしゃい」の姿勢で臨む。これには例外を設けず、真夏も準備する。そんな筆者が苦手なのは降り始めの時に傘を差すことだから手に追えない。