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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
99年12月31日付
こちら情報局

もう一つのY2K

 Y2K(コンピュータ2000年問題)の本番が本日から明日にかけて到来する。事前にお断りするが、元旦を迎えるその瞬間だけが問題なのではなく、今後もクリティカル・デイトと呼ばれる要注意日が半年ぐらいは続くことになる。

 関係官庁やコンピュータがらみの担当者を中心に、今年は一月四日の仕事始めまで気が抜けない人は相当数に上る。

 万が一のことを考え、海外旅行を取りやめた人も多く、筆者自身もY2Kがらみでマスコミ等から待機を余儀なくされている。

 願わくば何事もなく、無事新年を迎え、「お疲れさま」と言いたいものだ。

 表題の「もう一つの..」であるが、通常はコンピュータ・ウイルスなどによるY2Kモドキの発生を示唆している。Y2Kに対する人々の高い関心をよそに、悪戯心を起こし、或いは変な錯覚による混乱を引き起こそうというものだ。くれぐれも引っかからないよう冷静な対応が望まれる。

 が、栄えある年末の本コラムを湿った話で終わらせるのもしゃくだから、何かクスッと笑える出来事はないかと思案していたところ、面白い話が耳に入ってきた。

 年末にかけ、トレンディー・ドラマの最終回が目白押し。スタッフの一人は、年内の締め切りめがけて最終追い込みが激しく、好きなドラマも録画でしか見れない状況だが、翌日珍しく元気がない。

 どうしたのかと聞けば、ビデオが旨く作動しなかったとのこと。すわ、Y2Kか?何処のメーカーの製品かと尋ねたが、そんな高尚なことではないとのこと。

 実は、珍しく父親が、暇にまかせ自宅でビデオ端末のあちらこちらをいじっているうちにカレンダー機能を数十年前の時間に戻してしまったらしい.....。

 来年も良い年でありますように。