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永遠なる無駄遣い


永遠なる無駄遣い
コートダジュール、パリ 1997

(6)ニース - 2/5


<ギャラリー・ラファイエットの地下食料品売り場>

 昼食後は百貨店の地下食料品売り場を定点観測。ハーブ入りのプロバンス風オリーブ・オイルをゲット。結構面白そうな缶詰が揃っていた。それからコーヒーとか紅茶の良質なものも一通り揃っている。肉売り場は午後のまどろむ時間帯だったせいか、まったくやる気なし。冷凍食品では、オマール・エビのスープとか魚のスープがプラスティックの大きな牛乳瓶に入って売られていた。まるでコーヒー牛乳のような色。でも美味しそう。これであと、温かいもののテークアウトが出来れば最高なのに。残念ながらパリ・オペラ座とは異なり、そこまで充実していなかった。そうそう、レジ奥の一角はリキュール売り場。バカンス地なので、リキュールは完璧。

<メリディアン・ホテル前の海岸にて>

 ニースまで来て、浜辺に寝そべり、日焼けはしないのかと心配してくれて有難う。でも、美術館巡りで既にしっかり首、腕、足は真黒。そう、ドカタ灼け。しっかりスウォッチの跡もくっきり。夜になると、もともと色白だから、日焼けしていない手首のあたりは蛍光塗料のように光ってます。

 とは言っても、海岸ではどんな人が居るのやらと定点観測。うーん。居る居る。まず、さっそく、我が同胞の日本からの新婚カップルを発見。二組み居ますが、アツアツ状態。地元の皆さんにも負けていません。それと韓国からのバックパックの集団(5〜6人)。男子学生だけのやら、男女混合のやら。そう言えば、女子だけのはあまり見かけない。結構固まっている。じっとしている。どういうわけか、日本からの猿岩石ツアーは3人組が多い。2人で喧嘩したら心細いのだろうか。海岸の水辺を右端から左端に向かって歩くのを2組ほど目撃した。ニースの海岸は石ころが敷いてあって、砂浜ではない。この方が目に埃も入らないし、足もあまり汚れない(石の粉末でやや足の裏が白くなるが)。その上を歩くものだから、本人達はニースだ、さざ波の音だと大感激なのだろうが、ザクザクと凄い音。でも個人主義の国。だれも気にしない。

 で、回りはあちらこちらでトップレス。でも、男性諸君、まだ喜ぶのは早い。このトップレスの皆さん、どちらかというと日焼けに一生懸命で、あまり色気無し。それと、絶対に見たくないというおばさんやらおばあさんやらもトップレス。親子3代でトップレスというのもありました。これはどちらかというと微笑ましい。

 ウトウトしていると(と言っても、顔を焼かないように、ゴルフのキャディ宜しくホテルの白いタオルやら脱いだTシャツとかを顔にかけていた)、近くにアメリカ人の兄弟姉妹、従兄弟(イトコ)再従兄弟(ハトコ)と覚しきグループ4人。一番下の弟(14才ぐらい)が荷物の見張り。全員の荷物を縄紐で結び、その上に座る。そのうち、バトンタッチをしに、一番下の姉が来る。おお、なんと、ジーンズ、Tシャツのまま、泳いでいた。ビチョビチョで大丈夫かなぁと見ていたら、あっという間に乾いていた。でもベタベタしているのに変わりはなさそうだが。荷物をしっかり見ていると感心していたのに、15分もすると全員どこへやら。大丈夫なのだろうか、この冒険旅行。少し心配になる。

 すぐ後ろに褐色系のナイスバディーのお姉さんが焼きに来た。まあ、「直ぐ後ろ」に座りに来るくらいだから、変なヤツには見られていないのかと一安心すると、いままで海辺で溺れたフリして一人で戯れていたおじさんが、黄色いビーチマットを持って、全身ビショヌレで彼女の横に登場。でもこのおじさん。50才はいっている。子供のスクール水着のようなレトロなタイプを着ていて、風貌が妙。仕草もとっても変。来て間もなくで、読書を始めた褐色系のダイナマイト・バディーのお姉さんに完全に無視され、さんざんあたりにシブキを撒き散らして、次のターゲットに。あたり構わず、目についた人に声をかけているようだ。まるで、昔の映画を見ているようで、少し可笑しくて、少し悲しくて、でもとても怖いシチュエーション。このおじさん、頭がカッパ状態で、ウーン。どう考えても同情を集めるタイプでも無いし....。ターゲットになりそうな年頃のお嬢さんは、場所移動を開始していた。

 最後は浜辺近くの冴えない3人組。冴えないなぁ、パッとしないなぁと見ていたら、その中の一番陽気なヤツの所に、女性が紙と鉛筆を持って来て、なにやら住所を聞いていた。逆ナンパだぁー。グローイング・アップの世界だぁ。青春だぁ。青年は女性のいる浜辺の後ろの方に行って立ち話。先ほどの男子3人の会話の様子からは英国から来ているようだが。女子もどうも英国出身か或いは留学生同士か。とにかく何か共通の話題がありそうだ。いったん、戻って来て、友人二人にからかい半分の祝福をうけていたのだが、ふたたび女子学生が話をしに誘いに来る。で、完全に二人の世界。見つめあったまま。うーん。こうなると、残る二人の状況は厳しい。だんだんイジケテ来ました。石ころを海に目掛けて投げる。それでも後方では見つめ合い、語り合う二人。やってられないだろうにね、と思いつつ、そろそろ部屋に帰るかと海岸を後にする。

 この通り、ちょっと居ただけでもご覧の通りだが、結構ヒットラー気取りのゴロツキ不良グループも居るので、夕刻には日が明るいからといっても退散すべし。でも海岸線は砂浜が一番だと思うなぁ。たぶん、ニースからモナコに向かう普通列車の2つ先の駅の海岸がよさそうだと思うよ。


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