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永遠なる無駄遣い


永遠なる無駄遣い
新潟、山形、秋田

山形(温海温泉)〜萬国屋

<ホテル前にご到着>

 で、ついて早々、仲居さんらが着物姿での出迎え。タクシーから無線で到着するとの暗号が交わされたのか、常に3時過ぎからスタンバイ状況なのかは不明だが、熱烈歓迎状況である。そういえば、スキー・シーズンを除いてあまり温泉宿だけで泊まることをしていない。今回は、めいっぱいのんびりするかと思ってみたものの、定点観測の心がピクピク動き始めた。そうそう、全体の感想は大満足なのだが、辛口のお話を少々。パンフレットのうたい文句に平均年齢28才のスタッフが和服でサービスとか、朝から和服で朝食を届けますとかは、マーケティング上必要ないのでは。せっかくの老舗なのに、すこし品位がさがります。

 しかしですな、概観だけでは比べてはいけないのだろうが、明らかに二大老舗(共に創業300年、パンフレットによっては萬国屋は創業150年ですが、数え方の違いとお見受けした、すなわち誤差範囲の話)では、改築を済ませた萬国屋の勝ち。もうひとつ、経営戦略上大事な点は改築に伴い玄関口を変えたこと。自動車の時代、橋を越えて直ぐの所に玄関口を設けたことで、老舗としての立場が「従」から「主」に転換した。いままでは、たちばなやと隣併せだったので、このあたりが改築後の勝因のようでもある。玄関口を変えるといっても、効率性一辺倒ではいかず、風水だとかを気にするはずなのだが、よくぞ決断したというのが印象です。それから、先代(会長)の環境問題への配慮もすごい。まあ、物を大事にせよということだが、玄関口の櫓の柱は、旧旅館の大黒柱を流用。うーん。風流ありますね。3階の宴会場の門などにも使っていましたが、歴史を感じさせる作品に仕上がっています。(などと勝手に定点観測をしながら、いざ宿泊棟に)


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