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「裏コピー裏話」



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超日本通

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 アジア情勢分析とリスクマネジメントで一味違った提言を発信している林志行さん(38)が『アジアビジネスの落とし穴』(きんざい)を出版。

 急激な経済成長を続けるアジアで、大規模な労働争議の可能性や企業人誘拐などいくつかの危険性を指摘した。

 「アジア進出を即刻中止しなさいと諭したわけではないんですよ。抽出した個々の事象は各国の市場が成熟していく過程で将来、経営にインパクトを与えるリスクとして出現する確率がとても高い。これを『潜在リスク』と称し、事前対応を呼びかけています。」

 三洋電機米国子会社社長誘拐事件やペルー日本大使館人質事件などでも、政府や企業の初動態勢の出遅れを指摘、「事件は盆暮れ問わずに起きる現実を改めて認識し、いかなる時にも緊急事態に即時に対応できる本格的な態勢作りが急務」と警告する。

 台北生まれ。日本総合研究所での調査研究が本業だが、雑誌のコラムでも発言、今春にはインターネットに進出する。基地返還問題を抱える沖縄の将来ビジョンや神戸の震災復興対策にも首を突っ込む。「日本人より日本に詳しい外国人」として企業からの引きが増えている。

AERA 1997年2月24日号 pp.65