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永遠なる無駄遣い


海外逃亡顛末記 '99#1 ダラスからフロリダへ
永遠なる無駄遣い

<コンファレンス>

 コンファレンスはRIMSと言って、北米のリスクマネジメントの専門家が毎年一同に会し、共通のテーマを議論するもの。もちろんピンキリのレベルなのだが、学生は学生のカリキュラムを勉強し、プロはプロで情報交換を繰り返す。

 それなりにマーケット(顧客市場)を供給し、若手の参入による新陳代謝を可能とする。ボランティア・ベースでのコンファレンスの運営も手伝って、毎年盛況である。

 当コンファレンス、来年は50周年なのだから、歴史的な意義は大きい。日本からは、大手損害保険会社を中心に、保険ブローカーなどが集まる。

 コンファレンスは講義ばかりではない。専門企業がサービスやサポート製品ならびにコンピュータソフト、各種機械などを展示する。晴海や幕張のデータショーみたいなモノ。でも日本では、様々な思惑が交錯してこのような業界を股にかけるコンファレンスが実施される状況にはない。


 コンファレンスの展示部門のブース。F1とかF3000クラスのスポーツカーを展示し、クライアントへのアピールに懸命である。遠くには、東京海上のブースが見える。こちらも二階建てのブースで、大事な商談は2階で行っていた。


 コンファレンス展示場で開催されたプロのビリヤードの競技。遊びの要素も忘れないことがマーケティングの基本である。

 出たぁああ、キャプティブだ。一般事業会社(つまりは普通の会社)が自らの保険子会社を持つ戦略。この言葉は覚えるべし。そのうち流行るぞ。沖縄にサミットを誘致した現在、次の一手は、このキャプティブにある。


ハワイのキャプティブの売り込み。
沖縄にキャプティブをと訴えるマスターの根拠もここにある。

 後ろ姿の東洋人は三井海上の戦略子会社インターリスクという会社の専門家。ばったり出くわし、お互いにああやはり来ていましたかと相成った。マスターはインターリスクの季刊誌にリスクマネジメント分野の寄稿をしたため、顔が知られている。

 米国にもしっかり接待はある。コンファレンス後の夕食やら、朝食の時間帯に接待は行われる。必ずしもクライアントだけとは限らず、専門家でも呼ばれることがある。同じ会社の接待でもコースが幾つかあり、呼ばれたコースによりその会社と自分の関係(どれだけ大事にされているか)がわかる。
 接待一つ取っても、競争の原理が働く点はユニークと言えばユニークである。
 株主価値の最大化を目指す米国では無駄な接待や人情溢れる交遊関係は存在しない。


 ニューヨークに本社のある損害保険会社の招待を受け、ダラス郊外の牧場へ。ロングホーンがつながれ、カントリー一色。招待客は日頃のスーツを脱ぎ捨て、ジーンズ姿で出席を求められた。


 ダラスでのコンファレンスはやはり牛の展示が見物である。もちろんブースを飾っているだけであり、商談はリスクマネジメント関係の保険商品やら最新コンサルティング・サービスに関するものがメインである。

 カウボーイの町、ダラス。あのカウボーイハットにウエスタン・ブーツで颯爽とスーツを着こなすのが、南部のたくましい男を象徴するようだが、ニューヨーカーに言わせるとただの田舎もの(失礼)。西海岸のコンピュータ・ネットワーカーも南部は田舎とぼやく。


 あまり勉強とか仕事を印象づけられないといけないので、証拠のために撮影してきたコンファレンスの様子を一枚サービスカットで紛れ込ます。
 コンファレンス開始前のひととき。プロ中のプロがY2K(コンピュータ2000年問題)やEC(電子商取引)で議論を交える。時には辛辣な意見も飛び出す。


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